
話す内容ではなく、声自体が相手の心に直接響き、、無意識を説得させてしまう訳です
声に「グー・チョキ・パー」があるというのは、のプロメッサ総合研究所の谷川須佐雄さんの本を読んで初めて学んだ事だった。
『仕事も人間関係もうまくいく声の出し方つくり方 』(あさ出版 2005年)
この本をたまたま本屋さんでみつけたのがキッカケです。
グーが防衛的なくぐもった閉じた声で、チョキが尖った攻撃的な声で、パーが開いた明るい声だとし、美しい声と使える声は違うというキャッチコピーの帯がついていました。
交渉で戦略的にこうした声の使い分けをするという概略の本で、なるほど!と思ったものです。
話す内容ではなく声自体が相手の心に直接響き、相手の無意識を説得させてしまう訳だ。
声すらも戦略的にコントロールされてると言うのは、なんとも世知辛い話ですが、僕はこれでボイトレの世界へ、ますます深く足を踏み入れて行きました。
当時、アーティストとしてただ歌を歌いたかっただけでしたから(高い声がもてはやされた時代だったし)少し混乱もありましたが、今となっては、声について根本から学んだのは何一つ無駄にはなっていなかったと思っています。
直接習ったのは戦略発声法ではなく、ブレスボイストレーニング研究所でしたが、そこでも美しさを求めていくというよりは、ディベートで勝てる声という考え方があったから、僕はボイトレや歌についての考え方を大きく変転せざるを得なかったんです。
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先の戦略発声法とは少し視点がズレますが、
声を調節する筋肉は、感情を反映しているという事実がある。
誰かの声を聴いて訳もなく感情の琴線に触れるのは、潜在意識が倍音の影響を受けたからで、
高い倍音や、その手前の鼻腔共鳴も心理的に聞く人を防衛的にするのだという。
例えば、ハードロック系やベビーメタルの甲高い声(と大音量のサウンド)は聞くとアドレナリンが出ちゃうのだな。言ってみれば、闘争、怒り、恐怖、逃走、絶望といった無意識へのメッセージがこの高い周波数の倍音だ
逆に、リラックスさせ、心を開かせて歌詞をリスナーに浸透させて感動を引き起こす周波数は、オーケストラの2800ヘルツだそうだが、ハードロック(ポップスの鼻腔共鳴も、高い倍音は同じ心理効果)を聴いた時の防衛と闘争の反応とは対極である
参考:ロックシンガー間違いだらけの発声法 マークバクスター著
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共同作業をして頂いてる作家さんとお話ししてて、僕はたまに歌のデモを聴いてもらうことがある。
そうすると、高いキーの歌を聴いてもらうと、興奮しちゃうから、別のを(笑)って言われたり、、その逆の高音を欲しがる方がいたりで、僕からすると不思議でならなかったんですが、
ホントに、明快に声に心理効果があるのが分かって面白いものです。
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共鳴(共鳴腔)について(・_・)
声帯より上の声の通り道全てを共鳴腔といいます。声帯で生まれた音が、共鳴腔で様々な周波数特性を与えられます。